子犬との2度目の面会
私たちがカミーユに会えたのは、前回から約ひと月も経っていました。二度とない姿だから、こまめに撮影しておきたい。遠いけれど、2週間に一度は会いに行こう。
…そう決めていたのですが、生憎カミーユの体調が悪く、ブリーダーから面会を断られていたのでした。
当時はデュオを亡くして間もなく、私は毎日泣いてばかり。
カミーユに会う日だけは笑顔になれたので、面会のお断りにはかなりがっかりしていました。もちろん、体調が優れないのを無理やり会いたいとは思いませんでしたが、3度面会を断られた時には、とんでもなく体の弱い子を選んでしまったのではないか?と不安になってしまいました。
子犬の性格 難あり?
どこか内臓が弱かったりするのでしょうか…?ブリーダーを疑うつもりもありませんでしたが、子犬が心配でつい訊いてみると、
ブリーダーはまだ赤ちゃんだからと慎重になっていただけで、特に内臓に欠陥があるとかそういうことではありませんでした。そして「それよりも私たちが心配しているのは性格的にどうかな…?というところなのです」とブリーダーは言いました。
ブリーダーに言われたことを簡略すると、既にかなりわがままになっていて、気位が高く、自分は特別だと思っている。ドッグフードを食べないので、鶏のササミとサプリメントを与えている。なんでも喜んで食べる子ではない。遊びに夢中になってご飯を食べない。食べさせるのに苦労をする。
相当な甘えん坊なので、構ってもらえないとストレスになる。
「普通は迎えて1ヶ月くらいは構わないで下さいと言うのですが、この子に関しては逆にストレスになるので、1日時間を決めて遊んであげて下さい」とのことでした。
そして…
「たぶん、苦労されます」とも。
しかし私には大した問題ではありませんでした。それよりも「ああ、やっぱりか」という感じ。
あの気難しいデュオと暮らしてきたのだから、その程度では難ではなかったのです。そして、私には他では扱い難い子がうまい具合にやって来るんだな…と、少し運命的なものを感じてしまうのでした。

こんなに悲しい気持ちで子犬を迎えていいのだろうか…?
「あの…すみません、かなりわがままになってしまっていて…」ブリーダーが申し訳なさそうに連れてきたカミーユは、生後2ヵ月になっていました。
まだ500g程度だった体重が800g近くなり、愛らしくうるんだ瞳とふわふわの柔らかな被毛。自我もはっきりしてきたらしく、個性が伝わって来ました。
やっぱりこの子にして良かった。なんてかわいいんだろう。
会っている時はメロメロで幸せな気持ちだったのに… 何故だろう? 家路につこうと車へ乗りこんで間もなく、悲しくて涙があふれてしまいました。
それは、カミーユと離れて悲しかったのではなく、デュオを思ってのことでした。
デュオじゃない。
そんなの当り前だとわかっていました。この子はカミーユ。デュオではありません。
そんなことは当然わかっていたのです。でも…
同じ犬舎に来れば、またデュオを連れて帰れる。そんな愚かしい期待を抱いていた自分に気が付いたのでありました。
子犬のお迎えは14日後に迫っています。
こんなに悲しい気持ちで子犬を迎えるなんて…
本当にこれでいいのだろうか?私はデュオと比べずに、迎えた子犬を愛せるのだろうか?
新しく迎える子犬に悲しい思いをさせたくない。
短い犬生を、前の子以上に幸せにしてあげたい。もう後悔はしたくない。でも…自信がない。
そんな不安と悲しい思いを抱きながら、お迎えの時がやって来るのでした。